金は汚いもの、と言う様な意識がどこかにあって、これに言及することは、例えば卑しい等と呼ばれたりする。
欧米においても、金の亡者は卑しいとされるだろうが、転じて無頓着さが美意識にまで消化することは無い。
日本には、貧しさが美徳になる場合がある。清貧という言葉がそうだろう。
この美意識の源泉はなにか。アメリカ素描によると、そも侍の時代にさかのぼるそうだ。
武士たちは貧しくはあっても牧民官であることと、多少の教養を持っているということの誇りのために、信じがたいほど汚職のすくない社会をつくった。
と、書内にある。
貧しくも社会のために尽くす武士たちは、市民の尊敬の対象となった。豊かな商人たちではなかった。
これが転じて、金を忌諱する様になったとうわけだ。
この美意識は、現代においては弊害も多いが、誇ってよい文化だろう。
つまりは、無私をもって公に尽くす、ということである。
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